金曜日のノート

ある日、突然EXOに落ちました

「カート」から「ベテラン」に。2015年から2016年に。

カート(明日へ)

カート観ました。
最初にギョンスからのメッセージコーナーがあって、戸惑いつつ映画がスタート。
好きな子に待ち合わせ前に会っちゃったような気恥ずかしさね。なーに、あれ。
平日朝9時からの上映だったから、がらっがらの客席でしたが、それでもギョンスが登場すると客席から、「うふっ」みたいな声が聞こえてきました。
みんなすき、ギョンス。同感。

そう。そのギョンス。
ギョンスはテヨンという高校生の男の子役です
クラスで2人だけのガラケー所有者であり、給食費が未納で食べられなかったり、つまり家が貧しい。母親は大手スーパーのレジをしています。上司に気を遣い、サービス残業をしながら、小さなアパートでテヨンと小さな妹を養っています。父親は出稼ぎなのか、時々話題にだけ上がります。
いずれにしても、生活が厳しい。
母親はバイトから社員に雇用されるのを望んでいます。そうすれば、お給料が上がる。生活が楽になる。

そんなある日、母親が社員に雇用される話が舞い込みます。サービス残業をし、遅刻なし、模範勤務を続けてきたで結果がでたのです。
その晩、母親は嬉しくてついテヨンに、ガラケーからスマホへ買い替えてあげると約束します。家族3人の食卓にも、なんだか和やかな雰囲気が訪れます。

ところが、社員雇用の話から数日で、会社で大規模なリストラが決定されます。
パートは派遣に、正社員もいずれは契約社員にして、上層部は人件費をさらに削ろうとする。
リストラ決定も個々に説明があるわけではありません。もちろん、全体としても。ただ、紙一枚の告知のみ(たしか、社員番号の掲示だった気がします)
あまりの会社側の対応に、パート従業員の女性たちが解雇の不当性を訴えて立ち上がり始めます。
実際に韓国で起きた不当解雇事件を元にしてます。

ここから、物語がパート従業員対会社、パート従業員それぞれの人生、それによる抗議の上げ方の違いや苦悩、また家族たちへの余波までを描いていきます。

感想としては、ギョンスよい。よい。
目で語るギョンスが素敵でした。
演技しているギョンスの方がEXOのD.Oより自然体のように感じた。
ギョンスも誰かでいる時の方(役を得てる)が楽なんだろうか。
そう考えると、ちょっと悲しくもありますが。

エンディング曲もギョンスだったんだけど、くらっ!歌詞くらっ!

映画としては、ラストカットに疑問を抱き、音楽にはてな?となりまして、ちょいちょい引っかかるところはあったけど、俳優たちの安定感や物語の展開に終始目は離せなかったです。
あと、隣の人の号泣がすごくて、気押されてしまい、私自身うるっとさえ出来ずでした。

私は映画を見終えたあと、あるひとりの人物の言葉を思い出しました。
それは、アメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンです。
奴隷制度廃止のため、リンカーン率いる北部と南部でアメリカは真っ二つに分かれ戦います。当時、南部の奴隷制度の恩恵を受けていた国では、この戦争により南部からの支給が滞り自分たちが飢えに苦しむ国も出てきた。それでも、リンカーンの奴隷制度廃止を支持し、リンカーンにも是非活動を続けるようにと、メッセージまで出した国がありました。その時に残したリンカーンの言葉、「世の中で家族や友人を超えてつながるものは働く人たちである」。
翻って考えたのは私は自分を含む、まわりの世界です。
もし、私が大量リストラに巻き込まれてしまったら、あのパート従業員たちのように闘えるか?闘おうと考えるか?リンカーンの言葉のように、働く人々として繋がれるだろうかって。
ああ。無理だ。私は戦う前に、横同士で比べてしまうだろう。

そういう事を考えながら、ぼんやり帰りの電車に乗りました。

「ベテラン」は次にまとめます。